解説


流出面積 A(m2

降雨量を計算する面積

(1)敷地全体を対象にする場合
・個々の桝で、オーバーフローするものも有りうるので、桝の個数の算定には、配置上の注意が必要である。
(2)敷地を区分けして、それぞれを対象にする場合
・桝の個数の算定は、ほぼ正確である。
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降雨強度 i(mm/hr)

一定時間(通常1時間)に降る降雨量。降雨強度は1時間に何mmと表示する。


流出係数 f

降雨量に対する河川や下水管渠に流入する、雨水流出量の比率(Ex:0.5、0.8、0.9)
・蒸発や浸透によって流出量は降雨量より減る。
・地域によって決められている場合は、その値を採用する。
・東京都の例としては、
降雨強度 30mm/hr で0.5
降雨強度 50mm/hr で0.8 を採用している。
・安全を考慮すれば、0.9程度が良い。
・一般的な流出係数を以下に示す。

(1)表面工種別及び地域別による流出係数
雨水流出係数fの値
表面工種別種類係数地域別種類係数
不浸透性屋根0.70〜0.95家屋が密集した都市中心地0.70〜0.90
普通がわら・フェルト0.85〜0.90家屋が密集した住宅地0.50〜0.70
レンガ・木塊・アスファルト0.75〜0.85普通住宅地0.25〜0.50
ブロック舗装0.50〜0.80公園・広場0.10〜0.30
マカダム道0.25〜0.60庭・芝生・牧場・農地0.05〜0.25
砂利道0.15〜0.30森林地帯0.01〜0.20

東京都では、家屋0.9、道路0.65〜0.80、空地0.2と流出係数を実例によって工種別に定めているが、地勢に応じて適当の加減を必要とする。
いま、たとえばある地域で、砂利道15%、屋根21%、空地64%の受雨面があると仮定すると、上掲の標準によって雨水流出係数を算出すると次のようになる。
受雨面流出係数受雨面積比雨水流出係数
屋根0.9500.2100.1995
砂利道0.3000.1500.0450
空地0.1000.640
1.0000.0640

ゆえに平均雨水流出係数は 0.3085 であるが、実用流出係数としては 30% を標準として適用せしめる。
(2)地域別の流出係数
簡便計算法としては、地区別の流出係数を採用するものがある。下水道施設基準においても、地区別の流出係数を採用し、次のように決めている。
地区別種類係数
商業地区0.70〜0.90
工業地区0.40〜0.60
住宅地区0.30〜0.50
公園、緑地0.01〜0.20

放流水量 V(m3/hr)

放流されても良い水量

・すべて浸透させるときは0とする。
・放流する場合は、流入管だけでなく、放流管も設置する。
・放流管のある場合は、放流管以下の湛水深さによって雨水処理量Qを算定する。

地盤の浸透能力係数 a(1/hr)

1時間当り、単位面積当り、単位水頭当りに浸透する量を表す。
単位:1/hr=cm3/hr/cm2/cm

(1)一般に土研法(円筒型底面浸透)によって求める。
所定の水位になるまで円筒内に水を注入する。その水位が変化しないように注水量を調節し、注水量が安定するまで継続する。そのときの浸透量を終期浸透量・QEとする。
浸透能力係数・aは
a=QE/(A・H)  A:底面積、H:湛水高
(2)土質による推定
・関東ローム層の場合は、a=1〜5である。
・桝設置予定地の浸透のしやすさによって、その数値を選択する。 ・浸透によってすべてを処理する場合は、厳密に行う必要があるが、放流可能であれば、この程度の推定でよい。

形状係数 K1

浸透桝の形状によって変化する係数。

土木研究資料「浸透型流出抑制施設の浸透能力把握手法に関する調査報告」164、165ページより抜粋。
側面からの浸透ありの場合(周囲を砂利で巻く場合も含む)
1=30/D・λ (ここではDは砂利で巻く場合は砂利部分も含む直径とする)
λ=4.0 (ただし、HD > 0.5)
D=設計水深
ただし、円筒施設をトレンチ型施設に2m以上近づける場合は、上述の値に3/4を乗ずるものとする。
以上より、
1=30/D・4.0=120/D
D:円型の場合の直径
ここで、Dの単位を cm→m に変更し、隣接する他の浸透施設が 2m 以上近づいているものとして、 3/4を乗ずる。さらに、角型を円型に換算すると、
K=120/D/100×3/4=0.9/D=0.9/{2・(L1+L2)/π}=0.9/L
1、L2:角型の2辺の長さ(m)
L    :底部の周長(m)

製品係数 K2

『ハニホール』の浸透量が、計算値と実験値との関係で一部0.8のものが生じたのでそれを製品係数K2とした


安全係数 α

種々の要因で設置時のQsは低下するため、それを考慮した低減係数である。

・αの要因として考えられるもの
@.地下水位による影響 C1
・現場浸透試験の浸透量を基に計算式が構成されているので、既に地下水位の影響は考慮されているものと考え、実際は1.0としてよいと思われるが、安全を見て、0.9を採用する。
A.目詰まりによる影響 C2
・これまでに各地で、目詰まりについての調査が行われており、適切な維持管理を行えば、浸透能力の低下は見られないが、未だまだ実績が少ないため、安全性を見て、0.9を採用する。
B.注入水の水温の影響
既住の浸透試験結果の実績に見る限り、水温との相関性は必ずしも明瞭でない。また、施設の効果を期待する洪水期は春から秋の間であり、この間、気温の大きな変動は考えにくいので、この補正は行わない。
C.前期(先行)降雨の影響
既住の全国の多数の試験データの結果から、前期降雨と浸透量の間には、明確な関係を見出すことができない。そのため現場浸透試験における後期浸透量を基に計算式が構成されているので、補正は行わない。
D.以上の@〜C等の考え方に対して、設計者が現状を判断して補正係数を設定するC3
・特に清掃の回数、目詰まり物質の流入具合を考慮する。
以上より、
α=C1・C2・C3=0.9×0.9×C3=0.81・C3・・・・・・α=0.3〜0.6 程度がよい。